「ちゃんと歯みがきしているのに、また虫歯…」
そんな経験、ありませんか? 実は虫歯予防には、歯みがきだけでなくいくつかのコツがあります。
虫歯(う蝕)は、歯の表面が酸によって脱灰し、歯質が壊れていく病気です。原因は「ミュータンス菌などの虫歯菌」「糖質」「歯の質」「時間経過」の4つが重なったときに発生します。
つまり、適切なケアでこのバランスを崩さなければ、虫歯は予防できるのです。
では、具体的にどのような方法が有効なのでしょうか?今回は、今日からできる虫歯予防の基本をまとめました!
1. プラーク(歯垢)コントロール:口腔内の細菌を減らす
虫歯の主な原因菌であるミュータンス菌は、歯垢(プラーク)の中に存在します。プラークの除去は、虫歯予防の第一歩です。
- 🪥適切なブラッシングのポイント🪥
- ・1日2回以上、就寝前(寝ている間は唾液が減って口の中が乾燥し細菌が増えやすくなるため)は特に丁寧に
- ・歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目を意識
- ・歯ブラシは1か月ごとに交換
- ・フロスや歯間ブラシで補助的な清掃を
- ● 補助清掃用具の活用
- ・デンタルフロス(歯間のプラーク除去)
- ・歯間ブラシ(加齢や歯周病で隙間が広がった場合)
- ・ワンタフトブラシ(親知らずや矯正装置周辺)
2. フッ素による歯質強化
フッ素は、再石灰化を促進し、初期の虫歯を修復する効果があります。また、酸に強い歯質をつくるサポートもしてくれます。
- 〈おすすめの使い方〉
- ・フッ化物配合歯みがき粉(950〜1450ppmF)を毎日使用
- ・ブラッシング後は少量の水で1回うがい
- ・必要に応じて、フッ素洗口液やフッ素ジェルを併用
- ・小児期は、歯科医院での定期的なフッ素塗布も有効(年2〜4回)
3. 食生活の見直し(脱灰・再石灰化のバランスを守る)
口腔内では、食後にpHが下がり(酸性)、脱灰が起きやすくなります。その後、唾液によって再石灰化が進み、中和されます。
このバランスを乱す最大の要因が「間食の頻度と糖質の摂取」です。
- ⚠️注意すべきポイント⚠️
- ・間食や飲食の回数を減らす(1日3回+1回の間食程度)
- ・砂糖を含む飲料やお菓子をだらだら摂らない🍪❌
- ・キシリトールガムで唾液分泌を促進
- ・食後のうがいや水分補給で口腔内をリセット
4. 唾液の働きを活かす
唾液は、口腔内のpHを中和し、再石灰化を促す重要な役割を担っています。唾液の分泌が少ないと、虫歯リスクは一気に上昇します。
- ● 唾液を増やすには?
- ・よく噛む(咀嚼回数を増やす)
- ・キシリトールガムを噛む
- ・規則正しい食生活
- ・ストレスを減らす・十分な水分補給
5. 定期的な歯科検診と予防処置
自己ケアでは取りきれないプラークや初期虫歯のチェックには、プロのサポートが不可欠です。
- 🦷歯科でできる予防的ケア🦷
- ・専門的なクリーニング(PMTC)
- ・フッ化物塗布(高濃度)
- ・シーラント処置(奥歯の溝を封鎖)
- ・初期虫歯のモニタリング(削らず経過観察)
虫歯予防に「これだけやればOK!」という魔法はありません。
でも、毎日の積み重ねで、しっかり防ぐことができます。
- ①プラークコントロール(清掃)
- ②フッ素の活用(歯質の強化)
- ③食生活の見直し(脱灰時間の短縮)
- ④歯科での定期管理と予防処置
この4つの’虫歯予防の柱’を意識するだけで、歯の健康はぐんと守られます。
未来の自分のために、今日からできることから始めてみましょう!