虫歯とひとことで言っても、実は進み方や特徴に違いがあることをご存じですか?
虫歯には、大きく分けて「急性う蝕(きゅうせいうしょく)」と「慢性う蝕(まんせいうしょく)」の2つのタイプがあります。
今回は、それぞれの虫歯の違いや、どう対応すればよいかをわかりやすく解説します!
■ 急性う蝕とは?
〜進行が早くて、気づきにくい虫歯〜
急性う蝕は、その名のとおり「急に進む虫歯」のことです。
- 〈特徴〉
- ・進行がとても早い
- ・歯の内側(象牙質や神経)まで一気に広がることが多い
- ・痛みを感じにくいまま進行することもある
- ・色があまりつかず、見た目ではわかりにくい
- ・子どもや若い人に多く見られる
- 🔅なぜ痛くないの?
- 歯の中には神経がありますが、急に進行すると神経が一時的にマヒしたり、反応が鈍くなることがあります。そのため、「気づいたときには神経まで虫歯が到達していた」ということも…。
■ 慢性う蝕とは?
〜ゆっくり進んで、気づきやすい虫歯〜
慢性う蝕は、「ゆっくりと進行する虫歯」です。
- 〈特徴〉
・進行がゆるやか
- ・表面が黒く変色することが多い
- ・比較的、痛みや違和感が出やすい
- ・中高年や高齢の方に多い
・目で見て気づきやすいこともある
- 🔅進み方がゆっくりなのはなぜ?
- 慢性う蝕では、歯の中で「再石灰化(歯が自然に修復しようとする働き)」も起きていて、進行が抑えられていることがあります。ただし、放っておくと深くなってしまうので注意が必要です。
■ 急性と慢性、どっちが危ないの?
どちらも放置すれば歯を失う原因になりますが、急性う蝕の方が気づきにくく、進行が早いため危険です。
- ✅ 急性う蝕は…
- ・見た目が変わらず気づきにくい
- ・治療が必要になるまでのスピードが早い
- ✅ 慢性う蝕は…
- ・黒く見えて気づきやすい
- ・自覚症状(しみる・痛い)が出ることが多い
- つまり、目に見える虫歯よりも、見えない虫歯の方が早く悪化することもあるというわけです。
- ■ 虫歯のタイプに関係なく、大切なのは「早期発見」
虫歯は、急性でも慢性でも、小さいうちに治すことが最も大切です。
痛みがなくても、見た目に変化がなくても、歯の中では虫歯が進んでいるかもしれません。
- ▶ 虫歯から歯を守るポイント
- ・定期的に歯科検診を受ける(3〜6か月に1回)
- ・歯みがき後にフロスや歯間ブラシを使う
- ・甘いものの摂り方に気をつける
- ・フッ素入りの歯みがき粉を使う
比較項目 |
急性う蝕 |
慢性う蝕 |
進行スピード |
早い |
ゆっくり |
痛み |
感じにくいことも |
感じやすい |
見た目 |
白っぽくわかりにくい |
黒っぽく目立つことも |
よくある年代 |
子ども・若年層 |
中高年〜高齢者 |
虫歯の進み方は人それぞれです。だからこそ、「痛くない=大丈夫」ではないということを覚えておきましょう。
気になることがあれば、早めに歯科医院で診てもらうのがおすすめです。
自分の歯を守るために、できることから始めていきましょう!