虫歯(う蝕)は、誰にでも起こりうる身近なお口のトラブルですが、実は年齢によって「虫歯ができやすい場所(好発部位)」が違うことをご存じですか?
今回は、年齢ごとに異なる虫歯の好発部位と、その予防方法についてわかりやすくご紹介します。
- 👶🏻 幼児期(1~5歳)
好発部位:上の前歯(上顎乳切歯)の歯と歯の間
この時期は、まだ歯みがきが不十分で、甘い飲み物やおやつの影響を受けやすい年齢です。特に、哺乳瓶をくわえたまま寝る「哺乳瓶う蝕」(ボトルカリエス)が問題になります。🍼
- 〈予防のポイント〉
- ・寝る前の飲食を避ける
- ・保護者による仕上げみがきの徹底
- ・フッ素塗布の活用
🎒学童期(6~12歳)
好発部位:①奥歯のかみ合わせ(咬合面)②歯と歯の間(隣接面)
6歳臼歯(第一大臼歯)は、この時期に生えてくる大事な永久歯ですが、溝が深く虫歯になりやすいのが特徴です。また、生えたばかりの歯は酸に弱いため、虫歯リスクが高まります。
- 〈予防のポイント〉
- ・シーラント(予防填塞)の利用
- ・フッ素入り歯みがき粉の使用
- ・定期的な歯科検診
👩🏻思春期(13~18歳)
好発部位:①奥歯の隣接面 ②歯列が乱れた部分
中高生になると、生活習慣の変化や、部活動・塾などによる食事や歯みがきの時間の乱れが虫歯の原因になります。矯正治療中であれば、装置の周囲も虫歯のリスクが高くなります。
- 〈予防のポイント〉
- ・歯間ブラシやデンタルフロスの活用
- ・食後のうがいや歯みがきを習慣化
- ・糖分の摂取回数を減らす
- 🧑🏻成人期(19歳~)
好発部位:①親知らず周囲 ②歯と歯の間 ③歯ぐきとの境目(歯頸部)
大人になると、歯周病や歯の摩耗などが進み、歯ぐきが下がって虫歯ができやすくなります。特に、親知らずのまわりは磨きにくく、炎症や虫歯を起こしやすい部分です。
- 〈予防のポイント〉
- ・歯間清掃を習慣に
- ・定期的な歯科クリーニング
- ・早期の親知らずチェック
👵🏻高齢期(65歳~)
好発部位:歯の根元(根面う蝕)
加齢により歯ぐきが下がると、根の部分(象牙質)が露出し、虫歯ができやすくなります。義歯やブリッジの周囲も清掃が難しく、リスクが高くなります。
- 〈予防のポイント〉
- ・柔らかめの歯ブラシでやさしくケア
- ・フッ素ジェルの活用
- ・かかりつけ歯科での定期管理
虫歯は、年齢によってできやすい場所が少しずつ変わってきます。だからこそ、その時期に合ったケアや予防がとても大切です。「小さいころは前歯」「大人になると奥歯や歯ぐきの近く」など、それぞれのライフステージに合わせたケアを心がけていきましょう。
毎日のちょっとした習慣が、将来の歯の健康につながります。
気になることがあれば、遠慮なく歯医者さんに相談してくださいね🦷