「歯医者さん嫌いだった人も安心して通えるクリニック」、そんな歯科医院が広尾駅からすぐの場所にある。「ルートデンタルクリニック」は歯科医師全員が女性。ナチュラルで可愛らしい院内は全室が個室で、安心して治療を受けられるよう配慮されている。この安心感ややさしい雰囲気は、菰田院長のキャラクターとも重なる。歯科衛生士から歯科医師への転身、成績優秀者として評されるほどの勉強熱心さ、そしてやさしいママの表情など、多彩で豊かな人柄がよくわかる先生だ。小さな子を持つ女性だけでなく、歯科医院から足が遠のいている人にもぜひ知ってもらいたい歯科医院だ。
(取材日2011年4月14日)
歯科衛生士から歯科医師へ。心地好い安心感に包まれたクリニック
まずは先生のご経歴からお聞かせください。
じつは私は最初、歯科衛生士からスタートしました。歯科衛生士として6年間働いた後に、28歳で東京歯科大学に進学しました。そして34歳で歯科医師になりました。歯科衛生士として勤務していた歯科医院の院長が非常によい先生で、多くのことを学ばせていただくうちに、「歯科医療って本当に面白いなあ。私はこの仕事が大好きなんだ」と実感したんです。そしてもっと患者さんを手助けしていきたいなと。そこで東京歯科大学へ進学したのですが、応援してくれた家族がいたことも大きな力になりました。じつは出産も40歳になってからです。開業と同時に妊娠、出産とアクシデント続きでしたが(笑)、おかげさまで子どもも元気に産まれてきてくれました。ここでもやっぱり家族には随分と負担をかけたと思っています。いろいろなタイミングで助けてくれる家族がいたことも、私の背中を押してくれたのかもしれませんね。
先生のご経験は、多くの女性にとって大きな勇気になりそうですね。
他の取材でも、歯科衛生士から歯科医師への転身のエピソードを興味深く質問されます。歯科大への入学時は私は28歳で、周りは19歳の子たちがほとんど。年齢の差を一番感じるような年頃でしたが、こんなお姉さんにもやさしくしてくれましたよ。それに私同様、社会人経験のある学生もいました。私以外に2人の学生が同じような年齢で入学し、今もなお助け合う心強い仲間になっています。勉強もかなり一生懸命にしました。東京歯科大の創設者の一人に血脇守之助先生がおられ、毎学年を通じて優秀な成績を収めた学生には卒業時に「血脇賞」が贈られます。私も、そして社会人経験のある2人のクラスメイトも血脇賞をいただきました。
まるでサロンのような、可愛くて安らぎのある院内ですね。
すべての診察室を個室にしており、院内も歯医者さんらしくないナチュラルでリラックスできる雰囲気にしました。
患者さんのご希望をじっくりとうかがって、細かく診ていける診療を行いたかったからです。そのためにもゆったりとお時間の取れる場所にしたいと考えていました。私以外に2人の歯科医師がいますが、全員女性です。でも患者さんは女性だけでなく男性の方も多いんですよ。小さな子からお年寄りまで老若男女の患者さんが来られています。私が歯科衛生士として働いていた頃、よく患者さんからいろんな質問をされました。その中には、本当は歯科医師に聞いた方がよいのだろうけど、なんとなく聞きづらくて衛生士さんに質問したという人も多かったです。なので当院では患者さんが気兼ねなく私たち歯科医師にダイレクトに相談できるよう、さまざまな配慮をしています。この院内のレイアウトや雰囲気もその一つ。何も遠慮なさる必要はないので、気になることはどんどん聞いてください。
保育サービスも用意。ママも子どもも安心して通える環境
小さな子を持つママのために「保育サービス」も用意されているとか。
小さなお子さんを持つお母さん方は、自分に時間をかけることが本当に難しいです。歯の治療を受けたいと思っても、「わざわざ1時間のためにお金を出して子どもを預けるのは……」と考えて、結局、お口の中のトラブルをどんどん悪化させてしまいます。そこで当院では予約制で保育サービスを行っており、お母さんが治療を受けている間はスタッフがお子さんを預かります。出産後に虫歯になる人が多いのは、妊娠中にホルモンバランスが崩れたり、またつわりなどの影響もあります。それに加えて妊娠中は毎日の歯のお手入れをするのも大変になりますし、しかも出産後は先ほどのような事情で歯医者さんになかなか行けません。虫歯になるママが多くなっても不思議ではない環境です。そんな状況を何とかしたかったんです。当院の保育サービスを気に入ってくれて、「ここに来るのが楽しい!」と喜んでくれるお子さんもいます。
ママの歯が健康だと、お子さんにもいい影響がありそうですね。
ママだけでなくパパについても言えることですね。小さな頃のケア次第で、その子の将来の歯がほぼ決まると言っても、言い過ぎではないと思います。お子さんを虫歯にしない一番楽な方法は、周りの大人、主にママとパパから虫歯菌をお子さんにうつさないことが大事です。口移しで食事を与えないのはもちろんですが、要は周りの大人の口から虫歯菌を少なくしておくのが一番なんです。妊娠してから口腔ケアに気を付けるのではなく、できればママやパパになる前から、20代30代のうちから自分の歯を健康的に美しくケアしていくことを心掛けていただきたいです。なお、お子さんのおやつの与え方にも注意してください。うるさいから黙らせるために甘い物を際限なく与えるのでは、お子さんの歯はボロボロになってしまいます。おやつの時間をちゃんと決めたり、あるいは甘い物を食べた後はお茶を必ず飲むように習慣づけることも、虫歯予防にある程度の効果があります。
先生は小さな頃から、歯に興味があったのですか?
じつは歯科衛生士の仕事に就くまで、歯がこんなにも大切なことをなかなか知ることができませんでした。私の子ども時代は八重歯のアイドルが可愛いといわれた時代。私はとくに歯科医師の家系でもなく、自分自身の歯並びなども気にせずに育ちました。けれど歯科衛生士になって初めて自分の口の中をじっくりと診て、これは何とかしたいなあと思いましたね。歯科大に入学すると、実家が歯科医院の友人が多くて、やはり彼ら彼女らはとてもきれいな歯並びでした。矯正医の友人に相談してみたのですが、私の歯並びは非常に難しいケースだと言われました。そんな個人的な思いもあるので、やはりママたちにはお子さんの歯並びを注意して見てあげてほしいです。体の成長とともに歯並びも矯正していくのが、将来的に安定した健康的な歯並びを維持するためには大切なポイントです。当院には矯正の歯科医師もおりますので、歯並びの悩みも気軽に相談してください。
歯医者さん嫌いの人を少しでも減らせる歯科医院に
患者さんとの印象的なエピソードは?
ずっと歯医者さんに行くのが怖くて、なかなか通えずにいた患者さんがいました。その人が勇気を出して、当院に来られました。当初はほとんど噛める歯がなかったのですが、私たちスタッフも一生懸命に努力して、そして患者さんも一生懸命に頑張って、現在は口元を抑えずに素晴らしい笑顔で笑っておられます。その後も定期的にメンテナンスに来られており、「ああ。満足してくださったのかなあ」とこちらもうれしく思っています。この患者さんと同じような経験を持つ方が、当院にはたくさんおられます。モットーのひとつにも掲げているのですが、歯医者さん嫌いの人が安心して通えるクリニックにすることを目指してきました。歯科医院を敬遠している人は、おそらく何かしらのトラウマがあるのだと思います。それが原因で10年以上も足が遠のいている人も少なくありません。「もう少し早く来てくれたら」、そんな患者さんを少しでも減らすためにも、安心して通えるムードは大事にしていきたいです。
確かにここには、安心して通えるやさしい空気が満ちてますね。
ここは女性の歯科医師がそろった歯科医院で、女性ならではの感性と気遣いは、やはり多くの人に安心感を与えるのではないでしょうか。もちろん女性男性問わず、人それぞれにいろんな個性や性格があります。女性の歯科医師の中には、クールな印象を大事にしたいと思っている人もおられるでしょうが、当院のスタッフは「女性ならでは」という部分をメリットだととらえた診療を行っています。また極力痛みの少ない治療も心掛けてますし、とにかく患者さんの話をよく聞くことにも努めています。その患者さんが何を希望されているのかをちゃんと理解して、その患者さんにとって一番いい治療法を提供したいです。
先生の今後の夢は何ですか?
今後も、多くの患者さんからここに来たいなあと思ってもらえるようなクリニックにしていたいです。でもそのためには、患者さんのお声をたくさん伺いたいです。歯科医療を提供する側に長くいると、感覚がどこか麻痺してしまうと言うか、患者さんの思いと一致しない面が出てくる可能性もあります。そうならないためにも患者さんの率直な声や素直なご意見を知ることで、もっと理想の歯科医院に近づけることができるんじゃないかと思います。なので「こんな歯医者さんがあったらいいな」といったご意見は、ぜひ教えていただきたいですね。プライベートの夢ですか? 今は子育て真っ最中ですから、休日も子どもといることがメインです。でもそれは楽しみでもあります。子どもから学ぶことがたくさんありますからね。今後も、先ほど申したような理想の歯科医院に近づくための努力を、公私ともに充実させながら行っていきたいですね。
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供を行っております。
カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)については、効果・効能に関して個人差があるため、 カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)を用いた治療を行う場合は、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。