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2024.08.29

喫煙と歯周病の関係

  • ようやく秋の気配を感じられる頃となりましたが、暑さの名残りはなおとどまっているようです🍃
  • 気持ちのよい青空が広がっていると思えば、夕方には急な豪雨☔️や雷⛈️が起こることもあります。最近の空の様子にはビックリしてしまいます…。
  • 今回は喫煙が及ぼす影響についてお話しします。

 

タバコの煙には約4,000種類もの化学物質が含まれており、そのうち約200種類の有害物質と約70種類の発癌性物質が含まれています。

喫煙者は、口臭、着色汚れ(ヤニ)、歯周病に罹患しやすく、重症化しやすいです。そのため、治療しても治りにくいと言われています。また、タバコを吸っていると歯肉の腫れ出血が見た目上抑えられ、患者さん自身が歯周病に気づきにくくなります。

 

  • 〈タバコの煙に含まれる有害物質〉
  • ニコチンは、一種の神経毒で依存性が強く、血管を縮ませる(毛細血管収縮作用)ので体が酸欠栄養不足状態になり、体を守る免疫の機能も狂わせてしまいます。病気に対する抵抗力が落ちたり、アレルギーが出やすくなる+傷を治そうとする組織を作ってくれる細胞(線維芽細胞)の働きまで抑えてしまうので手術後も治りにくくなります。
  • タールは強い発癌性があり、口の中の表面に付着し唾液の出る部分をふさぎ、唾液の分泌量を減少し、プラークや歯石が付着しやすい環境をつくってしまいます。また、ヤニという形で歯の表面に残っているので、歯がザラザラして菌が張り付きやすくなり、いつまでもお口の中や歯肉にニコチンが染み出し続けてしまいます。
  • 一酸化炭素は組織への酸素供給を妨げます。酸素より血中のヘモグロビンと結合しやすいため、血液の色が黒くなるだけでなく、酸素が全身に行き渡りにくくなってしまいます。

 

  • 〈喫煙による影響〉
  1. ニコチンの血管収縮作用→血液の流れが悪く、酸素の栄養素が欠乏し、老廃物が除去されにくくなってしまう。
  2. 歯肉の繊維化→喫煙者の歯肉血管は細くなっているため、歯肉が炎症して出血せず、歯周病が発見しにくい。
  3. 白血球機能の抑制→喫煙により、白血球の防御機能が抑制され、歯周病菌が繁殖しやすい。
  4. 歯肉収縮機能の低下→歯周組織の修復機能が低下するため、治療しても治りにくい。

 

禁煙の効果として、〝歯周病にかかりやすさ〟は4割減少するといわれています。また、手術後の治療経過も禁煙者は非喫煙者とほとんど差がなくなります。

 

健康を意識して紙タバコから電子タバコ・加熱式タバコへと変える方も多いと思います。電子タバコは、たばこ葉を使用しておらず、ニコチンを含まないものが一般的です。加熱式タバコたばこ葉を使用しており、紙タバコに比べるとニコチン、タールが少ないといわれています。これらは禁煙を始める第一歩になると思います。

タバコは歯周病や全身の病気の危険因子であることに間違いはありません。また歯周病は全身の病気と密接な関わりを持っています。「長年タバコを吸ってきたから、今さら改善なんてできないだろう…」と考える人もいるかもしれません。「もう遅い」と考えるのではなく、どの段階であっても禁煙は効果を発揮します。お口の健康、全身の健康を取り戻すためにも、禁煙を始めてみませんか?

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